昨夏、主人は鼻の手術のための入院で、10日ほど貸農園に行けなかった。
同じ農園で近くの区画を借りているSさんは、日本語があまり得意でない主人にいつも丁寧に
教えて下さっている方で、このときも「見といてあげるから心配しなくていいよ。お水もあげとくか
ら。」と言って下さった。
主人が退院した時、そのSさんに報告がてら小さなお菓子を持って行った。
後から聞いたのだが、Sさん、その小さなお菓子を周囲の方々と分け合って下さったって。
今年の春、その貸農園で農具の盗難が相次いだ。
盗られたのは新しい農具ばかりで、主人の農具もまだ綺麗だったので狙われたよう。
Sさんは、途方に暮れていた彼と一緒に敷地内を長い間探して下さったらしい。
結局、農具も犯人も見つからなかったが、
主人がいつも農具を置いている扉の無い小屋の棚に、「こうしておけば少しでも違うから。」と、
農作業用の鳥避けネットをカーテンのように取り付けて下さった。
農作業では結構いろんな道具が必要で、鳥避けネットも欠かせないものの一つ。
Sさんは、盗難防止にその大切なものまで使って協力してくださった。
後日、新しい鳥避けネットを購入してお渡しした。
私が日本語でメッセージを書いて袋に貼り、主人に手渡してもらった。
Sさん曰く「だめだよー。こんなことしてもらっちゃー!」とのこと。(案の定)
なんとか受け取っていただけたようだけど。
それから数日後、主人が帰ってくるなり、
「今日Sさんが、ご近所のテニスコートから古いテニスネットを譲ってもらってきて、それをみんなに切り分けてた。僕にも分けてくれた。」
テニスネット、ああ確かに使える。こういう知恵も大切だ。
いつでもみんなとシェアするSさん。
ありがとうございます。
羽賀ヒカルさんの著書からーー
「最高の幸せを手にした自分」は、決して「自分だけが幸せ」という状態を望んではいません。
さて、特に真新しいアイデアでもないけれど、洋服のタグを栞にして幸せを感じたので、この気持ちを皆様にシェアいたします。