確か20代半ばに本屋で買って読んだんだ。
そのときは単行本だった。
なぜ買ったのかよく覚えていないけど、迷いがあった時期に書評か何か読んだのがきっかけだったと思う。でも、一度読んでとても退屈だったので、読み返すこともなく誰かに譲ってしまった。
とはいうものの、タイトルのOut on a Limbは言葉として印象的だったし、Limbという単語も四肢とか枝という意味があるらしく音の響きとイメージが合うな、なんて思いながら何十年も忘れずにいた。
そしてたまに思い出して、また読みたいな、今なら退屈に感じないで読めるかな、なんて思っていた。
言葉が長い間私を引き止めていた。
これもご縁というものか。
そして、先日近所の本屋で文庫本のコーナーをぶらぶらしていたら、Out on a Limbと思わぬ再会。
裏表紙を捲ると、平成11年に文庫本の初版、とある。そしてこれは24版。
読んでみた。
え、こんな内容だったっけ。
初めて読むような感覚。
すんなり読める。
今でこそ精神世界の情報はあちこちにあるけれど、当時はやはりブッ飛んだ内容だったんだろうな。
自分を知る、自分は神、自分は宇宙…とまあ色々な言い方があったけれど、今この本を読んで思うのは、まず自分を感じようということだろうか。自分のリズムというか心の脈拍というか。
トマトはトマトらしく生きるために太陽や土や水からエネルギーを得る。
ジャガイモやピーマンも然り。
でも今の世の中、根っこや枝が絡み合って、トマトがジャガイモのエネルギーを、ピーマンがトマトのエネルギーを搾取しようとしてるように見える。エネルギーの源泉は違う所にあるのに。
あまり上手な例えではないかもしれないけど。
Out on a Limbは今若い人たちにも読まれているそう。だからこその24版。
今度は手放さないで再再読してみようと決めた次第。